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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第19章 第四話 【永遠の少女】 嫉妬   

 明姫の御前を下がったヒャンダンは廊下に出てから、まだ痛む頬を手のひらで押さえた。
 まったく、あの高慢ちきなのっぽ女ときたら、思いきり、しかも両頬をひっぱたくんだから。痛いったら、ありしゃない。
 力の限り打たれた頬はまだひりひりと痛みが走るけれど、あんなに申し訳なさそうに涙ぐんでいる和嬪さまの前で痛そうな顔なんて到底できはしない。
 あのお優しいお方をこれ以上心配させたくないから、ヒャンダンは痛みなんて、もうこれっぽっちも感じないというような平気な顔をしていたのだ。

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