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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第20章 第四話 【永遠の少女】 永遠に理解し得ぬ二人  

 お産が長引きそうなので、一旦ユンは大殿に戻った。執務室に典医を呼び出しひそかに確認してみると、確かに明姫の妊娠経過には何一つ問題はなく、つい昨日の診察でも出産の兆候はまったく見られなかったとの応えが返ってきた。
 典医が出ていった後、ユンは茫然と呟いた。
「母上が明姫を―」
 その端正な面が一瞬、泣きそうに歪んだ。

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