身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第20章 第四話 【永遠の少女】 永遠に理解し得ぬ二人
和嬪蘇氏について、歴史は語る。彼女は妊娠九ヶ月で難産が元で亡くなったことになっているが、一説には直宗の母順応大妃の陰謀によって毒殺されたともいわれる。
また、正史である〝朝鮮王朝史〟の記録には直宗との間に二人の子を儲けたと記載されているが、一歳で儚く亡くなった静献世子の他にも、側室となってまもなく身籠もり、流刑先の観玉寺にて四ヶ月で流産した第一子がいると記している歴史書もある。
しかし、正史に名が記載され、その存在が確認されるのは静献世子、及び妊娠九ヶ月でこの世に生まれることなく亡くなった第二子のみである。
(完)