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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第21章 第二部【身代わりの王妃】 王の花嫁

 どうせ形式的に複数の候補者を立て、最終的には領議政寄りの娘が選ばれるに決まっている。領議政は亡くなった王妃の実父でもある。我が娘を国王の妃として生まれた孫を次の国王にと野心を燃やしていたが、王妃は子のないままに亡くなり、次に養女として嫁がせた尹氏(ユンし・賢嬪(キヨンビン))も王の御子を産むことはできなかった。
 しかし、老いてなお野心家の領議政はいまだに外戚になる夢を諦めてはいない。
―どの娘でも、お好きな者をお選び下さい。それで私に異存はありません。
 ユンは大妃の方を見もせずに告げた。
―今度の中殿は殿下もきっとお気にいるに違いありませんでしょう。
 大妃は何か含みのある言い方をして帰っていった。

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