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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第21章 第二部【身代わりの王妃】 王の花嫁

「洪尚宮が見れば、愕くぞ」
 明姫の親友でもあり、またとない忠実な侍女であったヒャンダンが春花を見れば、腰を抜かすかもしれない。いや、情と忠義心に厚い彼女のことだから、明姫が生き返ったかのような春花をひとめ見ただけで、感極まって泣き出すかもしれない。
 だが、実際に春花をまだよく見てない黄内官は何のことか判らず首を傾げている。
 ユンはそんな彼に曖昧な微笑で応え、何も言わずに歩き出した。黄内官を初めとする他の内官や尚宮、女官一同も慌ててユンの後を追った。

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