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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第22章 第二部【身代わりの王妃】 稚(おさ)な妻 

―領相大監(テーガン)は本気だ。
 誰もがそう思った。今度こそ、ペク・ヨンスはすべてを賭けて勝負に出ようとしている。かつての直宗の寵姫に生き写しの娘を王妃として直宗に近づけ、王がこの若い王妃に夢中になるのを待っている。
 明姫に似ているということは、新しい王妃もまた絶世の美少女だ。
 煙るような長い睫にくっきりとした黒曜石の瞳、珊瑚色の形の良い唇、透き通るような雪の肌、和嬪こと明姫が生きていた頃から仕えていた女官たちは、いまだに明姫を忘れていなかった。下働きの女官にまで隔てなく声をかけ、優しい気遣いを忘れない明姫を皆、心から慕っていたのである。

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