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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第22章 第二部【身代わりの王妃】 稚(おさ)な妻 

「新婚初夜に良人に手酌をさせ、独り寝させるつもりか?」
 王は春花を抱えたまま小卓の傍に戻り、そっと彼女を降ろした。その隙に春花が離れようするのを見越したように、背後から腰に手が回され、抱き上げられ膝に載せられた。
「名は何と申したか」
 馴れ馴れしく身体には触れてくる癖に、妻となる女の名前すら憶えていないのだ。そう思うと、春花の心に淋しさと絶望が寄せてきた。
 国王さまには、いまだに忘れ得ぬ女人がいる。それはこの国の民なら、誰もが知っていることだ。和嬪蘇氏、国王の寵愛を一身に受けた世にも幸せな寵姫の噂は春花のような少女ですら、知っている。

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