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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第22章 第二部【身代わりの王妃】 稚(おさ)な妻 

「―!」
 あまりにも展開が早くて、ついていけない。恐慌状態に陥った春花は両手で王の逞しい胸を懸命に押した。
 だが、大人の男と十七歳の娘の力では所詮、比べものにならない。抵抗を力で封じ込められている間に、春花のわずかに開いた口の隙間から液体が注ぎ込まれた。
 それは少量ではあったが、咽を滑り落ちた途端、焼け付くような感触を胃の腑で感じ、春花はあまりの苦しさにもがいた。
 ずっと唇を塞がれているので、呼吸もできない。やっと王の唇が離れた時、春花は眼に涙を滲ませていた。

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