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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第22章 第二部【身代わりの王妃】 稚(おさ)な妻 

 く、苦しい。
 春花は胸を押さえ、その場にうち伏した。コホコホと咳が続き、内臓が灼けるように熱い。咳き込み続けていると、また引き寄せられた。王の顔が近づき、熱い唇が押し当てられた。再び口中に流れ込んでくる酒に噎せて、春花は涙眼になった。
―どうして、こんな酷いことをするの?
 呑みたくないお酒をこんな風にいきなり口移しで呑まされて、苦しいのに止めて貰えない。春花が苦しんでいるのは王にも判っているだろうのに。

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