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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第22章 第二部【身代わりの王妃】 稚(おさ)な妻 

 中殿候補に名乗り出ることを渋っていた頃、領議政が父と自分に投げつけた言葉を忘れはしない。
―たかだか成均館の直講風情の娘など、本来なら、側室どまりでもたいした出世だ。それが、ペク家の娘として、この国の母という至高の地位に昇れるのだから、ありがたいと思わなくてはな。
 中殿、この国では最高の女性。それが一体、何だというのだろう? 春花が国王に嫁ぐことで、父は出世を約束され、たくさんの黄金が贈られたそうだ。それでは、自分は金で買われたも同然の身ではないか。

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