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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻

 五人いる側室の許に数日ごとに訪ねていくのが目下の自らに課した〝責務〟の一つである。それに、その中の二人の側室たちの許では娘たちが日々、健やかに生い立っている。
 側室の許を訪ねるのは彼女たちの顔というよりは、娘たちの顔を見にいくためなどとは口が裂けても言えない。
 それでも、つい中宮殿に足が向いてしまうのは、我ながら現金なものだと苦笑いが浮かんでしまう。五人の側室たちの中、もう十八年も前に迎えた向かえた古参の二人はともに三十代、童女のようにあどけなく見える温嬪も既に三十半ばを過ぎている。

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