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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻

 嘉礼を挙げてから半月を経ている。
「中殿はどうされている?」
 ユンの訪れを察知したお付きの尚宮が慌てて出迎えに庭までやってきた。ユンは機嫌良く尚宮に訊ねた。すると、どうにも尚宮の表情が冴えない。
「いかがした? 中殿はどうしたのだ」
 ユンが重ねて問うと、尚宮はしどろもどろで応えた。
「それが今、中殿さまは午睡中でいらっしゃいます。少し頭が痛いと仰せになっていたので、誰も近づけぬようにしてお寝みになっています」
 ユンが怒鳴るように言った。
「それで、薬は飲ませたのか? 内医院の医官には診せたのであろうな」
「いえ、それはその―」

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