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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻

「たとえ何人もご寝所にはお入れにならぬようにと厳命を受けておりますれば」
 その言葉にユンは更にカッと頭に血が上った。
「私と中殿は夫婦だ。良人が妻の寝所に入ったからといって、誰が咎めるのだ?」
 構わず尚宮を振り切り、王妃の居室を通り抜け、その先の寝室の扉に手を掛けた。尚宮と女官二人がその背後にいたが、彼女たちには背を向けていたため、刹那、彼女たちが万事休すといった体で目をつぶったのには気づかない。

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