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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻

 ユンは咄嗟に上掛けをめくった。案の定というべきか、掛け布団の下に中殿はいなかった。大きな枕を縦向きにして置き、上から掛け布団を掛けていたのだ。なるほど、こうすれば、遠くから見れば、人が中に寝ているとごませかる。
 つまり、寝所はもぬけの殻で、具合が悪いと寝ているはずの妻はどこかに消えていた。
「中殿はどこだ?」
「―」
 年老いた尚宮は涙を浮かべて首を振るばかりだ。
 ユンは嘆息混じりに言った。
「私はそなたらを責めるつもりはない。長年、後宮に仕えてきたベテランのそなたが中殿がいなくなるのに気づかないはずはない」

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