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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第24章 第二部 【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情

 小さな門から入り、これもさして広くない庭を突っ切っていく。玄関で春花が声をかけると、四十ほどの執事らしい男が姿を見せ、春花の背後に立つユンを見て細い眼をみはった。
 待つ間もなく、奥から小柄な男がまろぶようにやって来た。
「こっ、これは殿下。このようなあばら屋にお越し賜り、恐悦至極に存じます」
 男はボウとしている執事に泡を飛ばしながら命じた。
「何をしている。早く殿下を客間にご案内するのだ」
 直ちに客間に案内されたユンは改めて室内を見回してみる。外観を裏切らない室内は訪れた客を歓待し寛がせるような趣味の良い内装だ。

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