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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第24章 第二部 【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情

 それからまもなく、二人は修得に門まで見送られて許氏の屋敷を後にした。門まで出てきた修得はの眼には光るものがあった。
 国王の花嫁選びが行われる際は、今回のように予め国中の両班の子女に禁婚令が敷かれる。そして、適齢期の娘たちの中から幾人か候補を選び、更に大臣たちが審査して最も望ましい娘を王妃として選出するのだ。
 これはひそかに言われていることだが、王妃にいよいよ選ばれた娘の家の者たちは、その吉報を慶事として歓ぶと同時に、泣いたという。これから宮殿という権謀術数渦巻く伏魔殿に娘を送り込まなければならない両親は娘を抱きしめて涙ながらに〝おめでとうございます〟と祝福した。

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