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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第24章 第二部 【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情

 後はもう話すこともなく、二人はひたすら黙って歩き続ける。
 ユンは一人で考え込んでいた。
―これで母上も私が明姫を殺したのがそも誰かを知っていると気づいただろう。
 もう、二度と同じ過ちを繰り返す気はない。大切な女はこの手で守る。流石に大妃自らが望んで中殿の座に据えた春花にまで手を出すとは思えないけれど、あの気性の烈しい母のことだ。春花がいつまでも王を拒み続けていると知れば、役立たずと見なして春花に何をしでかすか知れたものではない。
 最悪、思い通りにならない中殿をまた何らかの方法で殺害した上に三度目の王妃を迎えろなどと言い出しかねない。母なら、やりかねないところがまた怖いところでもあった。

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