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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第25章 第二部 【身代わりの王妃】  想いのゆくえ

 まったく自分はつくづく女運がないらしい。前妻とも夫婦として十八年も連れ添いながら、実質的な夫婦であったのは、ほんの数年間のことだった。しかも、月に何度かいう、極めて淡い交わりにすぎなかった。
 やっと意に適った女を迎えられたと思いきや、その女には初夜からいきなり拒まれてしまった。しかも、二度目の妻は廃妃にされても良いから、宮殿から出して欲しいと訴えている。
 春花の許に行けないのなら、側室の誰かの許に行こうかと思ったけれど、そんな気にもなれない。眼の前に欲しい女がいるのに、どうして、他の女の許に行かなければならないのだろう。

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