テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第25章 第二部 【身代わりの王妃】  想いのゆくえ

「私、信じていたのに」
「そなたが悪い。強情を申して、私を怒らせるからだ」
 そう言いながらも、本当だろうかと自分に問いかける。自分は最初から、いずれはこの少女を自分のものにするつもりではなかったか。どこかでそのきっかけを探していたのではないだろうか。
 だとすれば、自分はとんだ卑怯者だ。口では偽善者ぶってこの娘を安心させておいて、突然、牙を剥いて襲いかかった―。
 あまりに打撃が大きかったせいか、一瞬、抵抗が止んだ。その隙にユンは春花の夜着の紐を解き、上衣の前を大きく開いた。既に寝るつもりだったのか、今夜は胸に布を巻いていない。それも天の助けに思えた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ