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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第25章 第二部 【身代わりの王妃】  想いのゆくえ

 その夜、中宮殿から王妃の姿がかき消すよえに見えなくなった。翌朝、金尚宮はいつもより少し遅めの時間に王妃に声をかけた。前夜の出来事があるだけに、王妃の心身の負担を考えてのことだったが、逆にそれが裏目に出た。
 金尚宮が何度呼んでも返事はなく、ついに無礼を承知で寝所に踏み込んだ時、室内はもぬけの殻で、絹の褥はしんと冷たく人の温もりはなかった。
 うだるような夏の一日が始まろうとする朝、一ヶ月前に輿入れしたばかりの十七歳の王妃が失踪という不祥事が起きた。中宮殿は上から下への大騒動となり、深い憂愁に閉ざされた。

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