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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第25章 第二部 【身代わりの王妃】  想いのゆくえ

「痛い、止めて」
 苦痛に顔を歪ませた春花の額にも全裸の身体にも汗の雫が浮いている。おかしなことに、春花が〝痛い〟と泣いて訴えるほど、王の動きは烈しくなり、その憑かれたような表情は嬉しげにも見えた。
「憎くて可愛い、私の妻」
 こんなにも痛いのに、何故、この男は嬉しげに笑っているのだろう。どうして、私が泣いて痛いと言えば、もっと歓ぶのだろう。
 春花には理解できないことだった。苦痛を伴う責め苦はひとしきり続いたが、それでも、やがて終わりは来る。

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