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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第26章 第二部【身代わりの王妃】 哀しみの果て

 春花はのろのろと布団から出て、寝室から居間へと続く扉を細く開けた。その時、廊下からひそやかな声が聞こえてきた。
「これで、私たちにもやっと運が向いてきたわね」
「そうよ、中殿さまが殿下のご寵愛を頂くようになれば、こちらの殿舎にももっと頻繁にお越しになるでしょう。そうしたら、私たち女官の中で、殿下のお眼に止まる者だって出てくるかもしれないわよ?」

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