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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第26章 第二部【身代わりの王妃】 哀しみの果て

「ずっと付いていて下さったのですか?」
 王の普段は美麗な面が今は頬も削げ落ち、すっかりやつれ果てていた。無精髭がかなり生えているところを見ると、少なくとも数日はここにいたのではないか。
「そなたが私のせいで生死の淵をさまよっているときに、側を離れたりはできぬ」
 王は殊更恩着せがましく側にいたとは言わなかったけれど、この言葉は控えめな肯定を示すものだった。

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