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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第26章 第二部【身代わりの王妃】 哀しみの果て

 続けて少しの逡巡の後、覚悟を決めたようにひと息に言った。
「確かに最初は、そうだったかもしれない。そなたの上に和嬪を重ねていた。だが、いつしか中殿に惹かれていることに気づいた。今はできることなら、そなたと、許春花という一人の女と新しいこれからの人生を生きてゆきたいと思っている。これは私の正直な気持ちだ」
 春花は小さく息を吸い込んだ。彼女もまた何かを言おうとして、なかなか言い出せないでいるようだ。ユンは彼女の方から話し出すのを辛抱強く待った。

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