身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
「承知しました」
贈り主から名前を知らせないようにと頼まれているというのなら、無理に訊き出すことはできない。崔尚宮の立場もある。
「小姫」
突如として幼い頃の愛称を呼ばれ、明姫は眼を瞠った。崔尚宮が自分を〝小姫〟と呼ぶのは何かよほど大切な用事があるときか、伯母と姪として話したいときに限られているからだ。
「そなたに申しておきたいことがある」
「はい、何でしょう。伯母上さま」
崔尚宮が伯母として話すというのなら、明姫もまた姪として耳を傾けようと思ったのだ。
「六つの頑是ないそなたを女官にすると決めた時、私は今だからこそ言うが、かなりの迷いがあった。そなたにはその理由が判るか?」
贈り主から名前を知らせないようにと頼まれているというのなら、無理に訊き出すことはできない。崔尚宮の立場もある。
「小姫」
突如として幼い頃の愛称を呼ばれ、明姫は眼を瞠った。崔尚宮が自分を〝小姫〟と呼ぶのは何かよほど大切な用事があるときか、伯母と姪として話したいときに限られているからだ。
「そなたに申しておきたいことがある」
「はい、何でしょう。伯母上さま」
崔尚宮が伯母として話すというのなら、明姫もまた姪として耳を傾けようと思ったのだ。
「六つの頑是ないそなたを女官にすると決めた時、私は今だからこそ言うが、かなりの迷いがあった。そなたにはその理由が判るか?」