身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
三日後の朝、明姫は再び崔尚宮に呼ばれ、用事を言いつけられた。その内容は公用ではなく、崔尚宮の私用であった。要するに、崔尚宮の実家まで届け物をして欲しいというものだ。
崔尚宮の実家は当然ながら、今は明姫の実家でもある。
―お祖母(ばあ)さまもお歳ゆえ、どうなさっているか様子を見がてら、これを届けてくれ。
と持たされたのは、ずっしりと持ち重りのする巾着であった。むろん中を見たりはしないけれど、その固い感触や動かすと中でしゃらしゃらと涼しげな音を立てるところから察するに、玉の装飾品であることは間違いない。
崔尚宮の実家は当然ながら、今は明姫の実家でもある。
―お祖母(ばあ)さまもお歳ゆえ、どうなさっているか様子を見がてら、これを届けてくれ。
と持たされたのは、ずっしりと持ち重りのする巾着であった。むろん中を見たりはしないけれど、その固い感触や動かすと中でしゃらしゃらと涼しげな音を立てるところから察するに、玉の装飾品であることは間違いない。