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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り

「ご覧のとおりの娘です。ふた親を早くに亡くして、わずか六歳で女官になるために宮中に入りましてね。あれで苦労したはずです。賢く優しい娘なのですが、どうも思ったことがそのまま顔に出るようで、それが祖母としては不安なのですよ。どうぞ末永くお側に置いて慈しんでやって下さいませ」
「今のお祖母さまのお言葉、胸に刻みます。こちらそ、良いお嬢さんを妻に迎えることができて、この上ない幸せだと思っています」
 ユンは丁重に応え、立ち上がった。
「それでは、今日のところは失礼いたします」
「くれぐれも明姫をよろしく」
「ご心配ありません。私の生命が続く限り、大切にします」
 ユンはクヒャンに向かって礼儀正しく一礼すると、静かに部屋から出た。

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