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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り

 明姫はむうと頬を膨らませた。
「まるで子どもだな」
 ユンは明姫の頬をいつものようにチョンとつつき、また笑った。
「お祖母さまをもう少し大切にしろ。それから、目上の方にはもっと敬意を持って接しなければならない。後宮に長年いるそなたがそれを判らぬはずはないと思うが」
「そこまであなたに指図される憶えはないわ。あの人はいつもああなのよ。相手が誰であろうと、よく考えもせずに言いたいことをぺらぺらと話すの。尊敬なんて、できない」
 プイと顔を背けた明姫にユンが強い口調で言った。
「良い加減にしないか、それがお祖母さまに言う科白か?」

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