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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り

 その間、一度も懐妊の兆候はなく、心ない者たちは
―中殿さま(チュンジョンマーマ)には最早、お子がおできにならないのではないか。
 と、王妃を石女扱いしている向きもあった。
 が、王妃はまだ二十二歳の若さである。国王より一歳年長とはいえ、まだまだ懐妊の可能性は棄てきれない。
 王には更に半年前に迎えたばかりの側室たちが二人いるが、いずれもまだ懐妊はしていない。―と、表向きは少なくともそういうことになっている。しかし、内実はというと、若き王はまだ一度もこの二人の側室たちの許に渡ってはいない。逆に彼女たちが王の寝所に招かれたこともなかったから、懐妊しないのは当然といえば当然なのだ。

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