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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り

 女と見紛うほどの王の典雅な美貌は後宮の女たちを恍惚とさせるには十分だった。たとえ王でなくとも、女たちを魅了するその美男ぶりだけで、十分モテたに違いない。―と、これは極めて下世話な物言いだが。
 とにかく後宮の女官たちは下の水くみ女に至るまで、若き国王の眼に止まることを切望している。しかも今日、普段は重く沈鬱な空気に包まれている大妃殿にその美男の国王が来られるというのである。女官たちが騒然となるのも無理はなかった。

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