身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
「頼むから、泣き止んでくれ。そなたが泣くと、私はどうして良いか判らない」
ユンの途方に暮れた声に、明姫はおずおずと顔を上げた。明姫の泣き濡れた瞳に、ユンが胸をつかれたように身じろぎした。痛みに堪えるような表情でこちらを見ている。
大好きな男はやはり、蒼の官服ではなく、紅い龍袍を着ていた。五本指を持つ龍が舞う王衣を身につけられるのは世子ではなく、王のみである。
今の彼の姿が何よりユンは集賢殿の学者などではなく国王なのだと知らしめていた。
「そなたには何と詫びて良いか判らない」
ユンがポツリと言った。
ユンの途方に暮れた声に、明姫はおずおずと顔を上げた。明姫の泣き濡れた瞳に、ユンが胸をつかれたように身じろぎした。痛みに堪えるような表情でこちらを見ている。
大好きな男はやはり、蒼の官服ではなく、紅い龍袍を着ていた。五本指を持つ龍が舞う王衣を身につけられるのは世子ではなく、王のみである。
今の彼の姿が何よりユンは集賢殿の学者などではなく国王なのだと知らしめていた。
「そなたには何と詫びて良いか判らない」
ユンがポツリと言った。