身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第5章 第一話【桜草】 別離という選択
大妃が呆れたようにユンを見た。
「私は殿下をそのように愚かにお育てした憶えはありませんよ。あれほどの大罪を犯した娘をお咎めなしというだけでも正気の沙汰とは思えませんのに、更に側室に迎えるなどと、到底認められるはずもありません。殿下があの娘によほどのご執心とは判りますが、母としては真に情けないことです」
「大罪というほどのことではないではありませんか。たかが花のことです。それに、あれは何も明姫がやったわけではないでしょう。あれだけ大輪の花であれば、花自身の重さに負けて花冠が落ちてしまうことも十分あり得る」
「私は殿下をそのように愚かにお育てした憶えはありませんよ。あれほどの大罪を犯した娘をお咎めなしというだけでも正気の沙汰とは思えませんのに、更に側室に迎えるなどと、到底認められるはずもありません。殿下があの娘によほどのご執心とは判りますが、母としては真に情けないことです」
「大罪というほどのことではないではありませんか。たかが花のことです。それに、あれは何も明姫がやったわけではないでしょう。あれだけ大輪の花であれば、花自身の重さに負けて花冠が落ちてしまうことも十分あり得る」