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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第5章 第一話【桜草】 別離という選択

「母上があくまでも反対なさるというのなら、私は私で自分の意思を貫きます」
「殿下―」
 大妃が驚愕も露わにユンを見た。
「一体、何をなさるおつもりです?」
 ユンは母を無表情に見つめた。
「明姫を側室として迎えます」
「この母の申すことに逆らうおつもりか?」
「私はこの国の王だ。たとえ母上といえども、私の意思に異を唱えることはできないのでは?」
 母と息子の間で見えない火花が散る。
 烈しいまなざしとまなざしが一瞬、絡み合い離れた。

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