身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第5章 第一話【桜草】 別離という選択
同じ日の夕刻。
明姫は自室で書見をしていた。正直に言うと、彼女は難しい書物は苦手である。漢字がズラリと並んだ書物を見ていると、ものの四半刻と経たない中に頭が痛くなってくる。
ゆえに、ユンが集賢殿の学者だと聞いた時、素直に感心も尊敬もしたものだった。実際には彼は学者どころか、この国の王であったわけだったのだけれど。
しかし、国王直宗は確かに学問に秀でた王だといわれている。ユンが国王だと知る前にも、直宗が武芸に秀でているという話はあまり聞いたことがない。その分、学問については学者はだしであり、それこそ本物の集賢殿の学者と問答しても引けを取ることはなく、かえってベテランの学者たちが舌を巻くほど学識が深いという話だ。
明姫は自室で書見をしていた。正直に言うと、彼女は難しい書物は苦手である。漢字がズラリと並んだ書物を見ていると、ものの四半刻と経たない中に頭が痛くなってくる。
ゆえに、ユンが集賢殿の学者だと聞いた時、素直に感心も尊敬もしたものだった。実際には彼は学者どころか、この国の王であったわけだったのだけれど。
しかし、国王直宗は確かに学問に秀でた王だといわれている。ユンが国王だと知る前にも、直宗が武芸に秀でているという話はあまり聞いたことがない。その分、学問については学者はだしであり、それこそ本物の集賢殿の学者と問答しても引けを取ることはなく、かえってベテランの学者たちが舌を巻くほど学識が深いという話だ。