テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第5章 第一話【桜草】 別離という選択

 まるで武芸とは縁がなさそうな彼と武官という肩書きは誰が見ても、結びつかなかったろう。
 彼と出逢ったあの日から、まだひと月も経っていない。なのに、今はあの出来事がもう何年も前のことのように懐かしく思えた。
 短い間だったけれど、ユンとは色んな想い出を作ることができた。彼と共有した時間は明姫にとっては生涯の宝となるに違いない。その想い出たちの中では、彼は国王などではなく、ただの集賢殿の学者にすぎなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ