身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第5章 第一話【桜草】 別離という選択
後宮で最も高位の提調尚宮がいきなり下っ端女官に用があるといえば、大方は何かの叱責を受けるとしか考えられない。咄嗟に思ったのは中殿に差し上げる牡丹の花を落としてしまった出来事への叱責ではないかということだった。
が、あの一件については国王ユンが自ら大妃と直談判に及んでまで〝咎めなし〟と決まっている。国王が決定した事項は何人たりとも覆すことは許されないのだ。
他に考え得る失敗というのは特に思い当たらず、一体何事かと内心は薄氷を踏む想いで女官長の部屋に行った。
が、あの一件については国王ユンが自ら大妃と直談判に及んでまで〝咎めなし〟と決まっている。国王が決定した事項は何人たりとも覆すことは許されないのだ。
他に考え得る失敗というのは特に思い当たらず、一体何事かと内心は薄氷を踏む想いで女官長の部屋に行った。