身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第6章 第二話 【桔梗の涙】 予知夢
ユンは明姫のか細い背中を撫でた。
「いや、それは違う。眼の前で家族を惨殺された幼いそなたの衝撃は察するに余りある。恐らくは、そのときに受けた心の傷があまりにも深くて、いまだに悪夢という形でそなたを苦しめるのだろう」
ユンは深い息を吐き出し、明姫の顔を覗き込んだ。
「何もしてやれぬ私だが、もし、側にいることが少しでも慰めになるというのなら、私はいつまでもそなたの側にいよう」
「嬉しい」
明姫はユンに取り縋った。
「今の私にとって、いちばん怖いのは大切な方を失うことです」
「いや、それは違う。眼の前で家族を惨殺された幼いそなたの衝撃は察するに余りある。恐らくは、そのときに受けた心の傷があまりにも深くて、いまだに悪夢という形でそなたを苦しめるのだろう」
ユンは深い息を吐き出し、明姫の顔を覗き込んだ。
「何もしてやれぬ私だが、もし、側にいることが少しでも慰めになるというのなら、私はいつまでもそなたの側にいよう」
「嬉しい」
明姫はユンに取り縋った。
「今の私にとって、いちばん怖いのは大切な方を失うことです」