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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第6章 第二話 【桔梗の涙】 予知夢

「だから、そのしゃべり方だよ」
「私のしゃべり方?」
 そう、と、ユンは笑いながら頷いた。
「私は、知り合ったばかりの頃の明姫が懐かしい。あの頃は元気が良くて、こんな風なしゃべり方なんてしなかっただろ」
「それは」
 明姫は頬を染めた。
「私はまだ殿下が国王さまであるとも知りませんでしたし」
 あの頃は、彼の〝集賢殿の学者〟だという言葉を真に受けて、随分と言いたい放題というか馴れ馴れしい態度だった。もしかしたら、不敬罪に問われても仕方のないような言動もあったかもしれないと今更ながらに蒼褪める。

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