テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第6章 第二話 【桔梗の涙】 予知夢

 成女官の姿が廊下の曲がり角の向こうに消えたのを見届けた後、ヒャンダンは両開きの扉に手をかけた。
「淑媛さま、ヒャンダンです」
 声をかけてから中に入ると、明姫が待ちかねたように近寄ってくる。
 物問いたげに見つめられ、ヒャンダンは女主人を安心させるように微笑んだ。
「大丈夫ですわ。誰にも逢うこともなく、花は処分しておきましたゆえ、ご安心くださいませ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ