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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第7章 第二話 【桔梗の涙】 異変 

 結婚した当初は王もまだ十四歳で子どもだったが、この八年で立派な青年となった。女と見紛うほど美麗な面立ちに早くも聖君(ソングン)との呼び声も高まる英邁さが滲み出ており、事実、若き国王はその評判どおりの善政を行っている。
 朝廷人事では老臣たちの意見に耳を傾けながらも、若い臣下たちの意見も率直に取り入れ有能な者であれば家門の高低に拘わらず重用し抜擢する。もちろん、それが父の領議政をやんわりと牽制するものであることは王妃だとて判っているが、どう考えても、古参の古い臣下たちばかりで物事を決めて進めるのが賢明だとは思えない。

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