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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第8章 第二話 【桔梗の涙】 陰謀  

 娘のように可愛がっている王妃に毒を盛る―、幾ら致死量に至らない微量だったとしても、毒薬の効果は体質によっても違ってくる。敏感な人であれば、致死量でなくても死亡することはあるのだ。
 まかり間違えば、王妃は死んでいたかもしれない。考えようによっては、大妃は一か八かの賭けに出た。大妃という女の冷酷で空恐ろしい一面を見せつけられたようで、明姫は寒くもないのに、膚が粟立つような恐怖を覚えた。
 明姫を排斥するために、大妃がいよいよ本腰を上げたのだ。

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