テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第8章 第二話 【桔梗の涙】 陰謀  

「真に申し訳ございません。淑媛さまにあのように申し上げたにも拘わらず―」
 楊尚宮はうなだれ、疲れ切った顔で告げた。
「思いの外に成女官は強情で口を割りません。このままでは埒があかず、淑媛さまは義禁府送りになってしまいます」
「―」
 明姫は自分でも愕くほど静かな気持ちで、その言葉を聞いた。
 王の側室が王妃殺害の容疑で義禁府送りになる―。その先は既に〝死〟を意味していた。
 楊尚宮が静かに言った。
「こうなっては、国王殿下に事の次第をお伝えしてはいかがでしょうか」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ