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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第8章 第二話 【桔梗の涙】 陰謀  

 そんな大妃であってみれば、息子が反対を押し切って迎えた側室など所詮、煩い眼前の蠅のようなものだろう。蠅を殺すのに、手段を選ぶ必要はない。
 茫然としている明姫に、楊尚宮が申し訳なさそうに頭を下げた。
「真に申し訳ございません。成女官の身柄は監察部の一室にて厳重に保護していたのですが、どうやら、警護の女官が交代する隙に自害したらしく」
 明姫は面を上げて、ようよう訊ねた。
「本当に自ら生命を絶ったのですか?」

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