テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第9章 第二話 【桔梗の涙】 対決

「どうしたのだ、黄内官。随分と顔色が悪いぞ」
「はっ、実は」
 黄内官は口を開きかけ、押し黙った。
「どうした、何があった?」
 なおも問いかけられ、黄内官は覚悟を決めたようにひと息に言った。
「金淑媛さまがどうやら監察部に連行された模様です」
「なっ―」
 王が立ち上がった拍子に椅子が不必要に大きな音を立てた。
「何故、淑媛が監察部に連行される?」
 噛みつくように叫ぶ若い王を、黄内官は痛みに耐えるような顔で見つめ返す。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ