身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第9章 第二話 【桔梗の涙】 対決
そんな娘だからこそ、ユンはひとめで心奪われ、明姫を側から離したくないと思ったのだ。
「私も殿下とご同様に拝察つかまつりますが、さりながら、殿下。ここまで証拠が揃い、あまつさえ淑媛さまの命を受けて中殿さまの御膳に毒を潜ませたという者まで現れては、淑媛さまの立場はのっぴきならないものになってしまうのではと案じられます」
「明姫が囚われたのはいつだ?」
黄内官がハッとしたような顔になった。
「半刻(一時間)前のことと思われますが」
「何故、今まで黙っていた?」
ユンは両脇に垂らした拳に力を込めた。
「私も殿下とご同様に拝察つかまつりますが、さりながら、殿下。ここまで証拠が揃い、あまつさえ淑媛さまの命を受けて中殿さまの御膳に毒を潜ませたという者まで現れては、淑媛さまの立場はのっぴきならないものになってしまうのではと案じられます」
「明姫が囚われたのはいつだ?」
黄内官がハッとしたような顔になった。
「半刻(一時間)前のことと思われますが」
「何故、今まで黙っていた?」
ユンは両脇に垂らした拳に力を込めた。