身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第9章 第二話 【桔梗の涙】 対決
その夜もユンは大殿で眠れないままに一夜を明かした。
「殿下、もう夜も更けました。ご寝所で少しお寝みになられては、いかかでしょう」
ずっと側に付きっきりの黄内官が案じ顔で言う。
ユンはひっそりと笑った。
「そう言うそなたの方が今にも倒れそうな顔色をしている。そなたももう歳なのだから、無理は禁物だ。私のことは気にしなくて良い。黄内官こそ、もう下がって寝んでくれ」
それでも黄内官は微動だにしない。ユンはまた笑った。
「爺やがいなくては、私が心を開ける人は明姫以外に誰もいなくなってしまう。だから、私の頼みだと思って寝んで欲しい」
「殿下、もう夜も更けました。ご寝所で少しお寝みになられては、いかかでしょう」
ずっと側に付きっきりの黄内官が案じ顔で言う。
ユンはひっそりと笑った。
「そう言うそなたの方が今にも倒れそうな顔色をしている。そなたももう歳なのだから、無理は禁物だ。私のことは気にしなくて良い。黄内官こそ、もう下がって寝んでくれ」
それでも黄内官は微動だにしない。ユンはまた笑った。
「爺やがいなくては、私が心を開ける人は明姫以外に誰もいなくなってしまう。だから、私の頼みだと思って寝んで欲しい」