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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第9章 第二話 【桔梗の涙】 対決

 翌朝になった。夜明けと同時に、黄内官がいつもどおり出仕してきた。
 やはり寝所には行かず大殿で夜を明かしたユンを見て、黄内官は不安顔を隠せない様子だ。
「殿下、やはり、昨夜はお寝みにならなかったのですか?」
 直截に問われ、ユンは曖昧な笑みを浮かべた。
「黄内官はよく寝めたか?」
「は? 私でございますか」
 黄内官は逆に質問で返され、細い眼をまたたかせた。

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