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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第9章 第二話 【桔梗の涙】 対決

―この者は首を絞められる際、かなりの抵抗をしたものと思われますな。
 成女官の両手の爪には木の床やら人の膚やらがかなり付着していた。これは殺害されたときに彼女が抗い、床や殺害しようとする者をひっかいたことを示す。
―成女官を殺した者は外部の者とは思えません。恐らくは後宮の大妃さまに仕える腹心の女官と思われますから、身体のどこかに引っかき傷のある者を探せば、犯人も自ずと明らかになるでしょう。
 しかし、実際には何千といる女官―上は上職の尚宮から下は水くみ女まですべてを調べることは不可能だ。楊尚宮は無念そうに呟いた。

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