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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第9章 第二話 【桔梗の涙】 対決

 でも、たとえ人の手の届かない遠い場所にある天だとしても、きっと私の無実は知っている。誰もが私を罪人扱いしても、遠い天だけはちゃんと見ている。真実を知っているはず。
 殿下、どうかこの都を覆う蒼空のように、民草を労る政治を行って下さい。殿下が後世の人々から聖君と呼ばれ日が来ることを明姫は信じております。
 そう、今、漢陽の町の上にひろがるこの蒼穹こそが、明姫の殿下への心です。この肉体がこの世から消え去ったとしても、殿下をお慕いする私の心はいつも殿下のお側にとどまっているでしょう。そして、何度でも生まれ変わります、ただ一人の方に―李胤というお方に巡り逢い恋に落ちるために。

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