身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)
しかし、赤児は天に召され、昭容は生きる気力を失った。難産は彼女の体力を根こそぎ奪い去り、赤児は彼女の魂をも共に持って逝ったようにも思える。最早、彼女は殆ど寝たきりで、たまに気分の良いときは枕を赤児のように腕に抱き、子守歌を歌っているという。
可哀想なことをしたと、その話を耳にしたときは思った。愛してもいないのに抱いて、孕ませた。せめて子が無事に生まれていれば、昭容もこれから生きていく気力も甲斐もあったに違いない。
明姫という生涯の想い人を側室として迎えた今、ユンは二度と他の女を抱くつもりはなかった。
可哀想なことをしたと、その話を耳にしたときは思った。愛してもいないのに抱いて、孕ませた。せめて子が無事に生まれていれば、昭容もこれから生きていく気力も甲斐もあったに違いない。
明姫という生涯の想い人を側室として迎えた今、ユンは二度と他の女を抱くつもりはなかった。